今日は君と一緒に帰れる。
いつもは大石がいて君は二人で帰ってしまうから。
と言ってもその近くには僕を含めた青学の皆がいるけれど。
僕はずっと辛抱していた。
全国大会を前にしてこの押し殺してきた感情を爆発させたら…
君は困惑するに違いないから。
苦しいよ。
誰かに言いたくても僕以外に君のことを想う男はたくさんいるんだ。
だから…周りには相談出来ない。
あの頃が懐かしい───
僕が君とダブルスを組んだ六角中との試合───
いつもなら君は大石と…
そして僕はタカさんと組んでいたよね───
あの時は大石が怪我をしていたから僕と組んでいたけれど───
本当なら大石と組みたかったんだよね───
わかってる───
君が僕を求めているわけじゃないんだってこと。
大石の怪我が治って黄金ペアが復活したときは…君はとっても嬉しそうだった。
当然のことだ。
君は大石しか見えていないんだから。
それに君と大石は黄金ペアなんだから。
それは構わない───
君が大石を求めたっていい。
だからお願い───
遠くからでいいから君を見ていてもいいかな…?
あのダブルスの思い出を心に刻み込んで…
記憶の音を───
鳴らし続けて───
