ダブルスを再び組むことになった俺と不二。
相手は不動峰だった。

これは全国に向けての練習試合だった。
相手は神尾と伊武だ。







「お前ら全然ダブルスをわかってねぇ!」

「あー…だから青学のダブルスなんかと戦いたくなかったんだよなー…黄金ペアならまだしも大石がまたケガしたからって…たった今即興で作ったペアなんかとダブルスの試合なんかしたくないのにさ…嫌になるよなぁ…」








ボヤキに気をとられ(これは言い訳かも)1ゲーム先取された。
ダブルスをわかってねぇなんて言われたらかなりへこむ。
大体一緒に戦ってくれてる不二に失礼じゃんか。

六角のときみたいに、自分達の取れる球は取るといった手法で戦うことにしていた。
この方がお互いの領域を邪魔しなくていいし、伸び伸びできるから。







「こんなのダブルスにもならないぜ!」

「ホントだよなぁ…こんな試合じゃ練習にならないしなぁ…つまらないし、やりがいがないや…だいたい青学って結局は黄金ペアでダブルスするんだろ?…大石のケガって本当なのかなぁ…実は企業秘密にしたいからわざと黄金ペアにしなかったとかじゃないのかな…だとしたらすごく腹立つよなぁ…」

「にゃー!!もう!うるさいなぁ!!俺だって組めるなら大石と組みたかったよ!!あ…」

「え…英二…そんな…。僕が嫌だったのかい…?そう…そうだったの…」






やば…
不二落ち込んじゃったよ…。
悪いつもりで言ったわけじゃないんだけどなぁ…。







残念ながら俺のせいで落ち込んじゃった不二は本領発揮できずに試合は6-2で負けてしまった。
不二はその後話しかけてもうわの空だった。







「ごめんごめん!!不二〜許してよぉ…テニスで組むなら大石って意味で、不二が嫌なんじゃないってば〜」

「…ホント?」

「ホント!」

「じゃあ…許すv」

「わぁい♪やった〜」






二人で話しているとおチビと桃がやってきた。






「菊丸先輩達、かなりダブルス苦戦してましたよね?俺、一つ提案があるんすよ」

「だからお前余計なこと言わない方がいいって言ってるじゃねぇか!…あ、すいませんエージ先輩、不二先輩」

「いいよ、桃。…で何?越前。言ってみてよ」

「“あ・うん戦法”っす」

「…。それって越前達が玉林中との試合でやった方法だろ?僕達には無理だよ」

「じゃあ合言葉ってどうっすか?」






合言葉…?
うーん…確かにそれはいいかもしれない。
でも何を合言葉にすればいいんだろ?
俺は不二と練りに練って考えた。




















「にゃんにゃん!」

「すまっしゅ〜」






「なんだ?あいつら。変な合言葉だぜ」

「あ〜あ…あれでダブルスできると思ったら勘違いもいいところだよなぁ…恥ずかしくて試合どころじゃなくなるよ…ダブルスなめてるんじゃない?…いい加減にしてほしいよなぁ…」








俺達が合言葉の練習をしていると大石がやってきた。






「お前達なかなかいいぞ!英二の動きもよくなったし、二人にダブルス練習させて本当によかったよ」

「本当?!よかった〜」






すると不二は大石を引っ張って二人でこそこそ話している。
俺は聞いちゃダメなのかな?と思っておチビ達のとこに行った。
合言葉はすごくやりやすい、という話をした。













「大石…君が英二を譲ってくれたおかげで楽しいダブルスができたよ」

「え…?あ…あぁ、喜んでもらえたなら嬉しいよ、俺も(あんな脅し方されたら誰だって譲らなきゃいけないと思うけど…)」

「大石はいい奴だよね、本当に感謝してるよ(テニスで黄金ペアなんて呼ばれてても、僕と英二はそれを越えるほど相性のいいペアなんだよ…テニスだけじゃなくてねv)」

「また一緒にダブルスをやれよ!英二も喜ぶぞ(俺はテニスの相性じゃ負けてない)」

「そうだね、そうするよ(僕は夜の相性じゃ負けてない)」






俺の知らない間にそんな会話がされていた。
…ということを後から乾に聞いた。
って…その話どこまで広まってんだよ〜!!