料理が得意な君がお菓子を作りたいと言ったから、僕も一緒にやりたいと言った 。
お菓子作りなんてアップルパイしかしたことがない。
だからいい勉強になるだろうと思った。

英二はチョコを作りたいらしい。
しかもただ溶かすだけのチョコじゃなくて一手間かけたチョコ、トリュフが作り たいようだ。
以前バレンタインの時にもらったけれど、本人いわく納得がいっていなかったら しい。
だから上手くなりたいのだと英二は言った。








「前はね、ブランデーを使わなかったんだよ!だから今回は入れてみようと思っ てさ」

「でも大人っぽい味になるんじゃない?英二は甘いのが好きなんじゃないの?」

「食べてもらうのは不二なんだよ?俺の好みなんて関係ないよ。そんでもって! 来年には超美味しいチョコをあげられるようにしたいからね!」







あげる相手に試食させたいと英二は言った。
僕のためにこんなに尽してくれる君が大好きだ。








「準備OK!んじゃ、作るよん♪」







手際よく作り始めた英二。
クリームを入れたチョコはブランデーと共にまろやかになり、絞り袋でチョコを 絞ると綺麗なチョコが出来上がる。

あとは固まるのを待つだけだ。









「よ〜し!できた!」

「早いね。わぁ…いい感じにチョコが美味しそうだよ」

「食べて!」

「…英二を?」

「ち、違う!!バカ///」







オヤジの冗談みたいな発言はやめてよって言われちゃった。
冗談を言ったつもりはないんだけどな。







「どう?どう?美味しい?」

「うん!すっごく美味しいよ!大成功だよ」







英二は喜んだ。
君の手にかかれば美味しいお菓子が出来るんだね。











「決め手はやっぱブランデーだにゃ〜!これがないのとあるのじゃ全然違うもん !」

「そっか…でも少ししか使わなかったんだね、まだたくさん残ってる」







フタを取って香りをかいでみる。
とても上品な、大人の香りがした。
僕ら中学生が踏み込むにはまだ早い世界へ誘われるような…

近くにスプーンが置かれていたのでひとすくいブランデーをすくってみた。
それを口に含んでみる。







「ちょっ…それ飲むためのブランデーじゃないよ?!」

「ん…知ってるけど構わないでしょ?だったら英二も飲みなよ」

「えぇ?!だって未成年…」

「それは僕も同じだよ?フフッ…いいじゃない、ね?」







僕と英二でブランデーを半分個にした。
原液のまま飲み干した。
ちょっと舐めると美味しいと言った英二だけど舐めるくらいじゃちゃんと味わえ ないよ、と僕は勧めた。

おかげで二人とも酔っぱらいになった。







「う…気持ち悪い…フツーこんなに飲むもんじゃないでしょ」

「そうかな?僕はまだ平気だけど?」







強がってみたが僕もフラフラしていた。
酔いの勢いにまかせ、僕は英二を押し倒した。







「や…不二…そこ…触っちゃヤ…」

「いい気分になったよ…ふふ…ね?シようよ」

「まだ昼間だよぉ?…だ…め…!ふ…ぁ…っ…」









英二の奥へ指を挿れる。
そう簡単に受け入れない場所であることはわかっていたけれど、もう自分を止め ることなんてできなかった。
最初は一本挿れて、次に二本、三本となり、中でばらつかせた。
とても気持ちよさそうな表情の英二…ゆっくり主張したものを僕は口に含んだ。







「それ…!きた…ない…ってば…!!」









英二が僕を遠ざけようとしたけれど絶対離さないつもりでいたから、僕は手を払 い除けて強く吸った。

吸うと熱いものが口に広がった。








「…ごめ……そんなの…全部…飲まなくて…よかったのに…」

「っ…美味しいよ…あ…なんだか…いい感じなのに…眠くなってきた…」















ここから記憶がなくなってしまい、僕や英二がどうしたかはわからない。
おそらく眠ったんだろう。

自分でもあんなぐらいブランデーを飲んだだけで意識がなくなっちゃうなんて情 けないと思った。

本当なら最後まで抱きたかったのに。


今度は英二にだけ飲ませて僕は飲まないことにしよう。

フフッ…