「ねぇねぇ、明日不二ん家に行ってもいいかなぁ?」
「あぁ、もちろん!遊びにおいで」
英二が僕の家に遊びに来てくれる!
今日掃除をしておいてよかった。
僕と英二は親友以上の関係。
同じクラスメート、同じ部活で仲良くなってから…付き合うようになった。
英二は猫みたいに可愛くて、ずっと側においておきたかった。
毎日メールして、電話をしても…ずっと側にいないと寂しかった。
最近はお互い塾に行ったり、部活をしたりでゆっくりした時間がとれなかったから本当に嬉しい。
明日が楽しみだ…!
翌日、英二は僕の家に来てくれた。
僕がプレゼントしたニットの帽子を被っている。
雪のような真っ白な帽子は英二の可愛さをさらに引き立てていた。
「やっほーい!不二っ♪うわぁ〜い!家に来るのすごい久々だね!あっ、みてみて〜不二からもらったニット帽被ったのー!」
「可愛いよ英二…!やっぱり君に似合うね!プレゼントしてよかったよ」
「えへへーっ!ありがと」
「それにしても遊ぶの本当に久々だね。君と一緒にお泊まりなんて…あっ、泊まっていかないか」
「ううん、泊まるよ!そのつもりで着替えもちゃんと…ほら!」
「よかった…じゃあ一日ずっと一緒にいられるね」
「うん!あ、それで…実はね〜今日プレゼントがあるんだー」
プレゼントと聞いてなんだろう?と思った。
英二が手招きして僕を呼ぶ。
なんだろうと思いながらも英二の近くへ行くと、英二は僕の耳元で話した。
「お酒!持ってきちゃった〜!」
「えぇっ!?ホント?!英二、まだ僕達は未成年…」
「何言ってるのさ!未成年だからって飲んでない人なんていないよー!今日はしかも大きいの持ってきちゃった〜!!飲み比べしよー!!」
ワインボトルがプレゼントらしい。
正直僕は驚いた。
僕は以前、英二に酒を勧めたことがあった。
甘いのなら英二も飲めると思ったのに、ほんのちょっとですぐに酔ってしまった。
そのあとは千鳥足になった英二を家まで運ぶのが大変だったことと、英二の御家族に心配をかけさせてしまって本当に申し訳なかった。
その事件があってから、僕は英二に酒を勧めてはいけないということを学んだ。
だから英二と酒は無縁になると思っていたのに…
「不二〜飲もー!」
「う〜ん…じゃあお風呂あがって夜になってからにしようよ。ね?」
夜になるまでDVDを見たり、動画を見たりしていた。
さすがにこの気候では外でテニスもできない。
英二は何かが不足しているみたいだった。
「…不二ぃ」
「なに?どうしたの、ほっぺをそんなに膨らませて。可愛いんだけど」
「…エッチしよ?」
「なっ///英二!そんなこと直球で言わないの!!」
英二にお風呂に入ってからにしよう、と言った。
僕だってしたいけど…お楽しみはちゃんととっておかないと。
僕はシャワーをしに浴室へ向かった。
英二と入りたかったけど、さすがに家族がいたのでできなかった。
英二には部屋で待ってもらった。
シャワーを終えて部屋へ。
さぁここから僕達の宴が始まる。
あらかじめ買い置きしてあったお菓子やおつまみを並べる。
グラスにワインを注ぐ。
「ねぇ英二…どうしてワイン持ってきたの?」
「嫌だった?!」
「いや、そうじゃなくてね…僕はどんなお酒でも飲めると思うけど、英二が飲めないんじゃないかなってさ」
「確かに俺、お酒弱いみたいだけど…やっぱ飲んでみたいもん。それに弱い人も酒量増やせば強くなるって聞いたし」
英二は酒に強くなりたいのだろうか?
無理してまで飲む必要はないのに、と言ったら“無理するんじゃなくて楽しくなるから飲みたいの!”と言われてしまった。
またフラフラになるんじゃないかと思いつつ、本人が飲みたいというならあえて止めないでおこうと思った。
早速一口飲んで英二はおかしくなった。
首が座っていない。
焦点があっていない。
顔が真っ赤。
もう…酔ってしまったんだね。
英二の隣に移動して、背中を擦る。
英二はぐらんぐらん旋回している。
もうダメだなと思い、ベッドに連れていこうとした。
すると英二が僕の腕を強く引っ張った。
「不二ぃ!のみたりない〜のませてぇ〜」
「何言ってるの…もう寝た方がいいよ。舌回ってないし」
「だぁめぇ〜不二とのむの〜」
手がプルプルしてるのにグラスにワインを注ごうとするからテーブルに溢してしまっている。
やっぱり前と同じだ。
わかっていたのに何故一緒に酒なんて飲んでしまったんだろう。
それから…僕の視界もおかしい?
英二が服をはだけさせてるのは僕の目が変なのかな。
「不二ぃ…寝たい?俺と寝たい?」
「ば、ばかなこと言ってないで横になりなさい!」
「不二怒りっぽ〜い…もしかして欲求不満?」
「な…何を言ってるの!ほら、ベッドに…」
「いやぁーんっ!不二にヤられちゃうよぉ」
英二はただのヘンタイになってる。
こんなにおかしくさせたのはやっぱり酒のせいだと知る。
酒だけでこんなになってしまうのもある意味すごい。
まるで媚薬みたいだ。
英二はイヤイヤしながらも自らベッドに入り、仰向けになった。
今も顔が赤くて…気のせいか英二が艶っぽい。
いや、英二は前から艶っぽかったけど以前とは比べ物にならないくらいだ。
どうして…まさか…と僕は思った。
知らぬ間に僕のが勃ち上がっている。
こんな英二を見たからかもしれない。
でもそれにしては何か違和感を覚えて仕方がなかった。
僕はワインに何か混入してあったのでは、と思った。
僕がシャワーからあがったときには既にコルクが開いていたし…。
「不二っ…痛くしちゃ…や…」
「痛いのはっ…イヤなの…?英二痛いの…好きだよね…」
おかしい。
僕はこんなセリフ今までに言ったことがない。
いつもは英二を傷付けないように気を付けていたんだから。
だけど今の僕にはどうすることもできなかった。
勢いよく英二の上に乗ると、自分の必要なところだけを脱いだ。
英二のパジャマはビリビリに破いた。
英二は涙を浮かべながらも喜んでいた。
「フッ…こんなことされて喜ぶなんて…淫乱だな」
「ち…違う…っ…」
「なぁんにも違わないよ。そんな君に今からいいことしてあげる」
一旦場所を離れてワインボトルを持ってから、英二に跨ると片手でワインをラッパ飲みした。
英二は酒をガブ飲みする僕に驚いたみたいだ。
「不二は…酒乱…じゃんっ…!」
「だって英二は飲めないじゃない…それとも下の口なら飲めるかな」
英二の足を無理矢理に広げて中へとワインを流した。
全て飲めないみたいで溢れたワインはシーツに染みていた。
まるで血みたいだった。
「おなか…ごろごろする…!」
「フフッ…気持ちいい?きっと身体が喜んでるよ…じゃあ次は」
残ったワインを口に含み英二へ口移しする。
舌もぐちゃぐちゃに絡ませてみた。
端からまたしても溢れた。
「もっと…上手く飲めないの?行儀の…悪い子はお仕置き…だよ」
空の瓶を床に投げ捨て、英二の首にまとわりつくようにキスをした。
もうどうにでもなれ。
さっきから僕は下品なことばかりしてるけど…身体が勝手に動いてしまう。
英二の中へ入ったときはすかさず絶頂が僕を襲う。
僕が果てるのと同時に英二も一緒に果てた。
目が覚めたのは三時間経ってからだった。
トイレに行きたくなって目が覚めた。
気が付くと僕と英二はワインと白濁した何かの合わさったものが身体中に絡み付いていてドロドロしていた。
英二は今も眠ったままだ。
辺りを見渡すと酒の瓶は転がっているし、お菓子は開けっぱなしで放置してあるし…とにかく片付いていない、汚い、と思った。
英二を起こさないようにトイレに行ってから、床とテーブルの上を簡単に片付ける。
食器がかちゃんと音がしてしまい、英二が起きてしまった。
「ん…」
「まだ…寝てていいよ…英二」
僕ももう一度寝よう。
他は全部朝に片付ければいい。
「ふぇっ…こわい〜」
「やっぱり!こんな危なそうな薬どこから買ったの?!」
僕は今英二を叱っている。
というのも僕が推測した通り、英二はワインに薬を入れていたからだ。
このせいで僕達はやたらと積極的になってしまったんだ。
「う…ごめんにゃさい…でも…俺…不二に早く抱いて欲しかったの。でもなかなか抱いてくれなかったから…」
「強行突破…ってわけね」
「うん…」
「わかった…だけどもうこんなもの使っちゃダメだよ?薬なんてよくわかんないんだから」
英二は…はぁいと可愛い声を出しながら悲しそうな顔をした。
全く…
「こんなのに頼らなくても僕はいつでも英二を抱ける」
「不二ぃ…。じゃあさじゃあさ…」
「やっぱり君は薬飲まなくても淫乱だってことがわかったよ…しょうがないな」
新しいシーツの上でまた僕らは抱き合った。
今度は薬も酒もナシだからね。
