※暗い話で優しさゼロです。
虐待の入った話です。
苦手な方はご遠慮下さい。











僕の可愛いモルモット。
今日も小屋に入れっぱなし。
そもそもモルモットは散歩もいらないペット。
鳴き声はちょっとうるさいけれど、それもしばらくしたら慣れた。

モルモットは僕に上目遣いでこう言う。
もっと餌が欲しいって。
仕方ないから餌を少しだけ与える。
でももうあげないからね。
どんなに喚いても…あげないよ?
僕だってそんなに餌をあげられないからね。






今日のモルモットはやけにおとなしかった。
どうやら餌をあげすぎたみたいだ。
だから言っただろう?
そんなに欲張るから良くないんだよ。
モルモットらしくちゃんとご主人様の言うことを聞かなきゃダメじゃないか。
少し罰として餌をモルモットの顔に塗りつけた。
そんなに欲しかったら自分の舌で舐め取ってごらん。






モルモットは元気がなくなりつつある。
少し寒いのかもしれない。
でも僕はペットに服を着せる趣味はないんだ。
だからそのままでいいだろう?

とりあえず脱走しないように、小屋から出す時は首輪をして出してあげる。
ほら、そんなに引っ張ったら首が千切れてしまうよ。
僕の側からそんなに離れたいの?
言うことを聞かないペットは躾が必要みたいだね。
モルモットを2、3発叩いた。
苦しそうに床に倒れるモルモット。
さらに顔を叩いた。


僕の言うことを聞かなきゃ餌だってあげない。
何もしてやらないんだから…














「不二が飼ってたモルモットって…死んじゃったの?」

「…うん」

「そっか…不二あんなに優しく世話してたのにね」

「英二」

「…ん?」

「もうモルモットの話はいいよ」

「…ごめん」

「いや、謝らなくていいんだ。英二が悪いんじゃないんだから…悪いのは…」






僕。
モルモットが英二だったらいいのにと何度も何度も虐待した僕が悪い。
本当は目の前にいる英二を僕のものにしたい。
でも歪んだ心の僕でも本物を目の前にすると何も手出しができなくなる。

小心者の僕。

俯いて顔を下げていたら英二がそっと包むように僕を抱き締めてきた。
心臓が跳ねたことに気付かれていませんように。






「落ち込まないでよ〜不二ぃ〜…ごめんっ!もう話さないから!そだ!今日不二ん家に行ってもいい?そんでさ、一緒に遊ぼうよ!」

「ん…いいね」

「けってーい!って…不二!顔上げてよー」

「…これでいい?」






僕はニコリと英二に微笑んだ。
悪の心が宿っている僕に英二は気付いているだろうか。
僕は口の片方の端を上げて、何かを企むような表情をしていたにちがいない。

新しく手に入ったペットと…今度はどうやって一緒に遊ぼうか。






僕の心は踊る。