「不二!!今週末ラーメン食べに行かない?」
最近俺がハマっているのはラーメン!
雑誌とか見てると特集がされててすっごい美味しそうなの!
一人で行くよりは誰かと行きたいなって。
「僕と行きたいなんて…珍しいね。てっきり大石を誘うのかと思った」
「大石はいいパートナーだけどさ〜前一緒に行ったらお腹がいっぱいだって言わ
れてほとんどお店回れなかったんだよ」
いいよ、と静かに不二は答えた。
あ!でも不二って辛いラーメンとか食べそう…まぁ俺が違うの頼めばいいわけだ
し!
「ラーメンって何処食べに行くの?唐辛軒?」
「ううん、ラーメン博が週末に開催されるんだにゃ〜!各地の有名なラーメン屋
さんが集合するの!!いろいろ行きたくてさ」
「ラーメン博…博覧会ってこと?すごいね、僕行ったことないから楽しみだな」
俺だって初めてだし!
どきどきする〜!
週末の三日間だけ開催されるイベント。
ちょうど学校も休みだし!
でも人数的にもっと大勢で行きたいな〜。
…と不二に言ったら
「あれって混むんじゃないの?はぐれやすくなると思うなぁ。僕は二人で行きた
い」
「そう?じゃ二人でいっか」
不二って集団行動あんまし好きじゃなさそうだもんな。
少人数の方がいいんだろうな。
ラーメン博当日。
待ち合わせで不二と合流した。
すでに会場へ向かうと思われる人達が大勢いた。
これは本当に混雑しそう…。
「ねぇ英二、はぐれないように手を繋いでもいいかな?」
「え…手?!う…うん///いいけど」
にゃ〜恥ずかしい///
こういうのって恋人同士ですることじゃないの?
だったら服でも掴んでくれてた方が…。
なんだか…恥ずかしいよ…
会場は人人人…
見てるだけで気分悪くなってきた。
うぅ…
「大丈夫?ちょっとトイレにでも行く?」
「ん〜大丈夫」
いけない、いけない。
せっかく俺が誘ったのに俺がダウンしてどうすんのさ…。
よし!まずは一杯目!!
「ここのラーメン美味しそう♪わ!見て不二〜、はまぐりの出汁をふんだんに使
ったスープのラーメンだって!澄んだスープが美味しそー!ね、ね、食べよ〜!
」
早速一杯目を食した。
うまーっ!
しかもこれ和え麺が付いてて二度楽しめる、だって!
さすがラーメン博!
「あ、菊丸先輩と不二先輩」
「どうもっス!お二人さんも来てたんすかぁ?」
「おチビに桃じゃん!そうだよん♪今不二とラーメンデート中なんだ〜☆」
「ぶはっ!ちょっ!英二!!誤解を招くような発言はやめて!!」
「不二、なんでそんなに動揺してるのさ〜?冗談に決まってんじゃん、そんなの
おチビも桃もわかってるっての!」
「…ふぅん、デートね。いいんじゃないっすか?桃先輩、俺達デートの邪魔
みたいだからあっちに行きましょうよ」
おチビの冗談なのに不二はすんごく動揺してた。
しかも俺が冗談言ったらラーメン吹いたし。
不二ってば汚いなぁ。
「ゴホッ…あぁ…死ぬかと思った」
「なんで?不二ってば冗談通じない人なの?もう…イヤだなぁ」
ラーメン博は様々なお店が出ていて選択肢がいっぱいあるからものすごく悩む。
二杯目はどうしよう?
「不二、胃袋大丈夫?まだまだ行くよ〜!」
「フフッ…僕の胃袋をバカにしないで欲しいな」
この後も何杯か食べて、もう満腹だった。
不二ってば俺に対抗してくるんだもん。
ちょっと可愛かった。
辛いのは俺苦手だったけど“もうギブアップ?フフッ…僕に勝つのはまだ早いよ
”なんて挑発してきてさ!
腹立って無理しちゃった。
「英二大丈夫なの?お腹壊さないようにね」
「…う。だ、大丈夫だもん!お、俺は負けたわけじゃないんだかんな!まだまだ
食べれ…」
「強がっちゃって。はいはい、具合よくないなら
ちゃんと休まないとね」
と言われて俺は不二の家に招かれた。
ぐったりした俺をお姫様だっこしてベッドに下ろす。
「ゆっくり休みなよ?もしだったら泊まっていってもいいからね」
「…サンキュー」
あ〜あ。
俺ってば情けない…胃袋も強くないし、お姫様だっこされちゃってさ。
「英二…」
「んにゃ?」
「また…行こうね、ラーメン。今日はすごく楽しかったよ…誘ってくれて嬉しか
った」
「そ、そう?よかった、不二って人混みとか苦手かな〜って思ったんだけど」
また行けたらいいな。
不二面白かったし!
俺は来年の約束をワクワクしながら楽しみにすることにした。
