ねぇ、寝息を立てて眠るなんてずるくない?
僕はもっと側にいたいのに。
ううん、側なんかじゃなくて英二の中に僕はいたいのに。
英二はすやすや眠って僕がモヤモヤしている事には一切気付かないで…。
英二、僕を見てよ…

…見るわけないか。
英二は写真の中。
合宿中にこっそり僕の一眼レフで撮った英二の写真だから。
僕がいつか思いを伝えたら君は僕の横ですやすやと眠ってくれるのかな。
付き合ったら一緒に観覧車に乗ったりソフトクリームを食べたり出来るのかな。

あ〜あ…こんな事考えるなんて僕はストーカー染みた性格だな。
危険な臭いがプンプンとする。
自分でそう思った時点でおしまいだよね。

早く英二と付き合いたいのに思いは伝えられないまま。
気付けば自分の下半身に手が伸びている自分がいる。
情けないけど自然な原理だ。
英二の事を考えて達するとくぐもった自分の声が漏れたと同時に手を汚す。
ますます自分が嫌になる瞬間だ。






「はぁ…英二が僕を好きになってくれればいいのにな…きっと一方通行なんだろうなぁ」






静かな夜は僕に孤立感しか与えない。
せめて早く明日の朝になるように願いながら眠りにつく。
そうすれば朝練で英二に会えるから。