人間は他の動物と違って言語を話す。
どんな国であれ、母国語は違えども会話をすることによってコミュニケーションを取るわけだ。
しかし僕は言葉には頼らない。
ただあるままに感じていたい。
それだけでいい。
英二を僕のモノにしたいから、ずっと部屋に閉じ込めておいた。

何日経ったのかわからない。
英二が僕の目の前で眠っている。
きっと夢の中なのだと思う。

半ば強引だった…英二を誘うのは。
英二はただ遊ぶだけと考えていたのだと思う。
だけど泊まっていって、と言い続けて今に至るわけだけど…数日間経ってから英二が帰りたがったんだ。
だから…英二を繋いで逃げないように縛った。

英二とずっと一緒にいたいから。






「英二…愛してるよ」






幾度も行為に及んだ。
初めは英二が酷く拒んだ。
だから僕は嫌われているのだと感じた。

でも違う。
英二は僕と今まで一緒にいても一度も嫌悪感を示したことはなかった。
僕が嫌いならそれなりに態度に示してくれるはずだ。
しかし嫌いな態度を取るどころか、僕と一緒にいたがった。
離れてみれば顔の表情を曇らせて。
だから確信したんだ。

英二は本当の気持ちを隠しただけだって。






「ん…不二…ぃ…?」

「おはよう…英二。今日も一緒にいようね」

「……」

「英二?嫌なの…?」

「嫌じゃない…ずっと…不二と…一緒にいたい…でも俺達は男同士―――」

「それがどうかした?…男同士であったって構わないだろ」






やはり…そう。
英二は男同士であることを気にしているだけだ。
そんな無駄なことは考えさせないように英二を抱き始める。
甘い艶やかな声が英二の口から漏れ出す。
綺麗な声…甘美に僕の脳に届いて、再び下半身が疼く。

きっと身体なんていくつあっても足りない。
ただ英二を抱きたい。
人間でありながら本能のままに生きる僕を受け入れてくれた英二。
言葉より確かなモノだ。






「不二っ…あっ…ン…ッ…!」

「英二っ…えい…じ…」

「ふ…っ…じ…っ……!」

「英二…っ」






シーツはぐちゃぐちゃになっていて、英二もぐったりしていて。
それでもなお、英二は腕を緩めなかった。

英二…好きな気持ちはもう…止まらないよ。

だからずっと…一緒にいようね。