大型電器店に行って品物を受け取ってもらおうなんてちょっと虫が良すぎたかもしんない。
ゲームを予約していた俺は不二にすがるように頼み込んだ。
「お願いー!予約品もう取りに行かなきゃなのに電車の定期切れちゃったんだよぅ…不二ぃ」
狡いけど甘ったるい声を出してお願いしてみた。
不二はやれやれといった表情で電器店へ行ってくれると言い、俺が予約していたゲームを取りに行ってくれたのだった。
だけど俺、頼んだのは失敗だった気がする。
なんとなくっていうか、勘なんだけど…不二は裏で何かを考えてたんじゃないかって思ったんだ。
これだけ一緒にいるんだもん、気のせいとかじゃないよ?
取りに行ったゲームを渡すから、と俺の家に来てくれた不二。
まだ外は明るい時間帯だったから一緒に遊びたいと俺は言った。
よし、そうこなくっちゃ、と不二はやたら嬉しそうに言う。
不二から何か黒いオーラを感じるのは俺だけだろうか。
俺は早速予約品のゲームを開けるとセットして起動させた。
不二とゲームがしたくて仕方なかったんだ。
「あー楽しかった♪これも不二がゲームを取りに行ってくれたおかげだね!本当にありがとっ」
「可愛い英二のためなら僕はなんでもするよ…ただし条件があるけどね」
ふふっ…と不二が怪しく笑うので俺は若干驚いた様子でひきつった笑いを見せた。
何を条件としているのか想像がついてしまった。
不二から逃げなくちゃ!
俺は不二から距離をとった。
しかし不二が諦めるわけもなく、俺をベッドに追い詰めると押し倒してきた。
「ちょっと…っ!?」
「なぁに、英二?僕は君の代わりにゲームを取りに行ってあげた。だから僕も英二に頼み事をしたっていいよね」
「た…頼み事って…?」
「今から…英二の声を録音したい」
ゲームを取りに行った際についでに購入したものがあるらしい。
それはボイスレコーダーだった。
これで何をするか俺はすぐにわかった。
だから俺は首を横にぶんぶん振った。
だけどそれは狡いだろう?と不二が言う。
狡くなんかないよっ!
「イヤー!!!」
「いつも僕の前で恥ずかしがることもなく声出して啼いてるだろ、我慢して」
口調が変わったので俺は驚いた。
もち、不二のこういう乱暴な男っぽい口調が俺はけっこう好きだ。
でも今はそんな悠長なことは言ってられない。
なんとか脱出しなきゃ!
…なんて言ってもここは俺の部屋なわけで脱出なんてできるはずもなく。
見事捕まった俺はベッドにぐるぐる巻きにされて身動き出来なくなってしまった。
不二はそんな俺を見てニヤリと笑うと買ってきたばかりのボイスレコーダーを俺の近くに設置する。
スイッチはONにされた。
「いいね…最高だよ…これで完璧」
「完璧なんかじゃ…っ…!!やぁっ…!!!」
首に噛み付くように不二は吸い始めた。
呼吸ができなくて顔を上げようとするけれど、不二はやめてくんないし、どんどん意識がなくなっていく。
酸素が回らなくて苦しくなったときにやっと不二は俺を解放してくれた。
だからといって安心はしちゃいけない。
不二はボタンを弾き飛ばすように俺の服を引き裂く。
まさか破るとは思わなかったから悲鳴のような声を出してしまった。
まるで犯されてくみたい。
「…綺麗だよ、英二」
「やだっ…ん…うぅっ…んあ…っ…」
俺の声を録音するっていうなら無理矢理にでも出さないようにしてやる!
そう思った俺は唇を噛み締めて声を出さないようにした。
「意固地だな…イイ声出して…?」
「んっ…んぅ…だ、ださないっ…」
「じゃあ…これはどう?」
不二は俺のパンツを下に下げ、僅かに容量を増したものを扱き始める。
気持ちが良くてすぐにイきそうになったけれど、ここは我慢!
じゃなきゃ不二の思うツボだもん。
まだ俺は耐え抜いていた。
だけれど次の瞬間、いや、ほんの僅かな時間に俺は両足を肩に担がれる状態となった。
伝っているから大丈夫だね、なんて自己解決して不二はニコニコと笑いながら言った。
貫かれた瞬間、俺は今までにないくらいの声量で叫んでしまった。
それは確実にボイスレコーダーによって録音されてしまった。
「イイ声録れたよ」
「ばかーっ!サイテーっ!」
「英二と会えない時はこれで毎晩抜くよ、ありがとう」
「(サラリと抜くとか言うなよ!純真そうに見えるのに!こうしてドスケベ不二の正体は明らかにされないまま皆騙されちゃうんだ!)」
「…なんか言った?英二」
「な…なんでもない…です」
こうして不二に丸め込まれてしまう俺。
好きだから言い返せないってのもわかってて不二は言ってるんだ。
不二が隙を見せたときはあのボイスレコーダー奪ってやるんだからっ!!
覚悟しておけよっ!
