「どうして君が謝るの。僕の方が悪かったんだから謝るのは僕の方だ。英二…ごめん」
「謝んないでよ。俺はね、不二が好きだから…やっぱり一緒にいたいなっていう気持ちが大きいんだよ。でもさ、不二はやっぱいろんな人を巻き込んだわけだし、俺も刃物渡されたときはすごく怖かった。だからね…不二にわかってもらいたかった。…俺だって自分勝手なんだけどさ」
「そんなことない。僕はわかったよ…英二の気持ち。こんな僕と一緒にいてくれるなんて本当に嬉しいよ…」
「うん。…それとね、俺…手塚から伝言もらったから。ハイ」
メモに走り書きしたような字が書かれている。
何もこんなアナログ式にしなくても僕の携帯電話のアドレスを知ってるくせに、遠回しなやり方だなと思いつつ、同時に今手塚にメールをしてもきっと宛先不明で返ってくるのがオチなんだろうとも思った。
最後に会ったときは僕を避けるようにしていたから、僕に嫌悪感があったはず。
当たり前だ、僕から振るようなマネをしたのだから…。
英二からメモを受け取り、内容を読む。
『不二へ
きっとこれが言葉を交わす最後となるだろう。
俺はお前に本気だった。
だがお前は俺を選ばなかった。
その時点でお前と俺の関係は終了だ。
中途半端な関係はいらない。
俺はまたテニスの頂点に立つため日本を離れる。
だがお前と過ごした日々を無駄とは思わない。
お前のことは忘れない。
だからお前はこれからの道を間違えずに生きていけ。
まずは菊丸を大事にすることから始めるべきだ。
さようなら
手塚国光』
手塚からのメモの上に雫が落ちる。
涙が止まらなかった。
そのまま床に座り込み、声を上げて泣いた。
こんなにも人を傷付けることが罪だったなんて知らなかった。
自分の生き方がわからないだなんて、僕は何故馬鹿なことを言ったんだろう。
僕は本当に馬鹿だ…
馬鹿だ…
「不二ぃ…泣かないでよ」
「そうだよね…ごめん。僕が中途半端だったばかりに…でももう巻き込まないよ。ありがとう…」
英二とゆっくりキスをした。
温かい何かが流れ込んでくるようだった。
そうだ…僕にはやらなければならないことがある。
英二と一緒に生きること。
英二を愛して幸せにしてあげること。
今の僕にどのくらいできるかわからないけど、できることは全力を尽くしていきたい。
神様、どうか見ていて下さい。
今からでも遅くはないだろう?
やれることはなんでもやる。
僕の中で何か新しいものが芽生えた。
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グタグダ小説にお付き合い下さいましてありがとうございました!
ここまで来るのにタカ不二、赤不二、白不二、そして塚不二…を思わせる表現がありましたが決して不二総受ではありませんので^^
ただその他大勢との交流を増やしたかっただけです。
ところで、結局オークションってなんだったの?と思う方に付け加えて言うならば、不二の単なる自己満足です。
事務所も、暴力を振るわれたことも、全て不二の虚言ということで実際は自分でサイトを立ち上げ、自分に対して本気になってくれる人間を探していた…ということでした。
自作自演ってヤツです。
白石の指摘は鋭い。
それから、付き合って刃物渡されて、「僕を殺して」なんて言われたら誰だって引きますよってお話^^
終盤悩んで書いたので急展開になりました。
毎度読みにくくて申し訳ないです。。。
