新たな敵をみつけた僕は、お寿司パーティの後から英二を過剰に守ることにした 。
周りから変な目で見られるからやめて、と英二に言われたけど油断できないのが 今の現状だ。

こうして英二を好きになった奴は手塚、大石、そして越前と三人になってしまっ た。























「はぁ…」







英二はなんでこんなにモテるんだろう…。
しかも僕の知ってる奴ばかりに!

そして問題はこれだけじゃない。
…未だに僕は英二と結ばれていないんだ。
どうしたら英二と一緒になれるんだろう?

チャンスが来る度邪魔が入るのは僕に運がないからなのか?
何にしてもこのままじゃ英二といつまでも結ばれない。
何か策を考えなきゃ…







「あ、また会ったね」

「幸村…また立海か」







なんでまた会うかなぁ…。
どうせ全国で当たるんだろうし、今から会いたくないなぁ。







「青学の天才、不二周助がこんな困った顔をするのはあんまり見かけないな」

「珍しいぜよ、プリッ」

「失礼だな、僕だって悩みぐらいあるよ」







だからって相談にのってもらうってのはなぁ…








「悩みって何?俺に解決できる問題なら協力するけど」

「いや…いいよ」

「…人数が多くて話しにくい?わかった」







なんだか知らないけど幸村が妙に協力的だ。
もしかしてテニスのことで悩んでるって思われてそう。
全然違うんだけど。







「皆には先に行ってもらったから話しやすいだろう?さぁ俺に話してごらん」

「(本気で悩みなんて打ち明けられないよ)いや、大丈夫…気にしなくていいか ら」

「…いい媚薬がある、菊丸に使えばいいよ」

「えっ!そうなの?!ありがとう!!」







なんだ、僕の悩み知ってたんだ。

あれ?







「え!!!?」

「不二が悩むってのは菊丸以外に考えられないからね」

「なんで知ってるの?!」

「俺にはなんでもお見通しだよ…コレ使って頑張れ」







さすが幸村…
僕の考えてることがわかるなんて…恐るべし。
これじゃテニスの試合の方も侮れないな。





幸村から薬をもらったけど、コレを使うのって卑怯にならないかなぁ…。
英二を無理矢理その気にさせるってことでしょ?
マズイ気がする…後で英二が知ったらきっと怒るに違いない。
いや、普通英二じゃなくたって怒るさ。
大体こんなものに頼らなきゃいけないほど、英二にとって僕は魅力的に映ってい ないんだろうか?
もしそうなら僕の努力が足りないってことだ。
英二を引き付ける何かが足りないんだ。



とにかく、今はまだコレを使うべきじゃない。
もう少し様子を見て、僕に魅力があるのかないのかはっきりさせなきゃ。





だって…僕の家に来て早速ゲームするなんてちょっとショックだったんだよ。
考えれば考えるほど僕は落ち込んでいった。
















「幸村部長、さっき何してたんすか?」

「ん?知り合いに頼んで作ってもらった薬を不二に渡しただけだよ」

「あの〜…まさか毒とかじゃないっすよね?」

「赤也は俺を殺人鬼にしたいの?」

「いやいやっ!!ち、違いますよ!ク、クスリなんて危ないな〜って思って」

「赤也の想像してるような薬じゃないから安心して。幸せな奴ってちょっと不幸 になったら面白いだろ?遊んでみたくてね」

「遊ぶ?(何か嫌な予感が…この人不二さんに何渡したんだ?)」































「不二〜!おまたへ〜」

「おかえり、さすが英二。相手を6−0で破るなんて…すごいや」

「へへーん!まぁね♪でも不二だって6−0で勝ったことあるっしょ?」







僕はそうだっけ、と覚えのない言い方をした。
正直会話はうわの空だった。
英二には申し訳なかったけどさっきの薬どうしようかなぁ、って考えてた。
そのとき英二は何を思ったか、いきなり僕のパンツに手を入れた。








「ちょっ!何…///」

「ポケットの中身はなんだろな?なぁんてね!いーじゃん、半ズボンのポケット なんだし」

「だからっていきなり手入れられたらビックリするでしょ!(英二の手が微妙に 当たってる///そこ触んないで!!)」

「い〜ものみっけ!何これ?」







しまった…さっきもらった薬!
カバンに後でしまおうとしたけど忘れてた!
英二がものすごく興味津々。
でもこれはダメ、今飲んだら君は…!







僕の止める間もなく、英二はなんだかもわからない薬を意図も簡単に飲んでしま った…